2016年12月07日 公開

町工場の「BtoC市場」への挑戦~広がるビジネスチャンス~

 

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先般、当協会の産業情報誌「テクノプラザ(1月号)」の新春座談会では、「BtoC市場」へ挑戦する大田区企業4社(株式会社三輝、株式会社志村精機製作所、株式会社ナイトペイジャー、有限会社矢澤製作所 ※50音順)を招き、参入のきっかけや取組みなどについてそれぞれお話しを伺った。

一方、早くから一般消費者向けの製品・商品開発・販売に着目し、「大田の工匠100人」にも選ばれた名人、高田玩具(大田区南久が原)の高田栄一氏(以下、同氏)にインタビューを行った。同氏が手がけた作品は、機械工場模型(大田区郷土博物館)、建築模型(山口県文化財「むろやのさと」)、商業模型、カタログ模型、また大手玩具メーカーの通信教育・教材撮影用の精密模型など、いずれもアイデアが際立つ製品・商品で、クラフト職人、造形家として人気を博している。同氏は、2007年から発売され約60万個を売り上げたヒット商品、キモカワ系の不思議なフェイス貯金箱「フェイスバンク」、「不思議な顔面クリップ」の生み親でもある。

素材から発想し独自なアイデアで形にする

 

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同氏は、これまで見たことがない唯一無二の手作り玩具を制作してきた。普通は、こういうものを作りたいという動機から材料を選ぶと思われるが、同氏はその逆で「もの(素材)」から発想する。金属・プラスチック・木材・皮・綿などの素材を工房に持ち込み、ばね・歯車・カムなどの機械要素と組み合わせることで、独自のアイデアを形にする。「素材は手を動かすことで様々に変化し、変化したものがまた素材となり新たなアイデアの元となる。頭で作るのは限界があり、手を動かすことで発想の限界を超える。(同氏)」素材の面白いと思える動きを常に研究し、玩具を通じて人々に実際動く面白さを伝え、独特な世界観で創造する「からくり」をライフワークにしている。

ものづくりの原点は買ってくれたヒトがそのものを語る

 

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同氏は展示会に出展した際に、「からくり人形」に興味を示したのが日本人よりも外国人のほうが多いことを実感した。数年前、「不思議な顔面クリップ」を東京で開催されたサルバドール・ダリ美術展で販売したところ、独特なデザインセンスが評判となり、会期中に7,000個が売れ、納品に追われたことがある。その経験から、同氏は自身の作品はダリ好きの世界中のヒトに受けるのではないかと思い、海外市場開拓の戦略に取り組んでいる。「大量生産、大量消費の時代はなくなり、規模が小さい企業が生き残れるチャンスが増えている。製品・商品の認知度を高めるには、情報発信が大事。(同氏)」いつの日か米国のダリ美術館に、「からくり人形」を納めるという夢を追って、同氏はチャレンジを続けている。

高田玩具や新春座談会にご協力いただいた大田企業4社、それぞれ抱えている課題や販路開拓の手法は多種多様である。本業の技術を活かし、売上を大きく伸ばしている株式会社三輝、マニア向けの高精度な自動車用パーツの製造を手掛け、工業とは違う分野との交流を通じた製品のPR活動を行っている株式会社ナイトペイジャーなどの例もある。製品・商品開発や販路開拓は決して簡単ではないものの、アンテナを立て情報発信を続けることで、ビジネスチャンスに繋げている。

「テクノプラザ(1月号)」の新春座談会の詳細については、下記URLをご確認ください。
https://www.pio-ota.jp/docs/technoplaza269.pdf

2016.12.7
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