「外国人技能実習制度」の活用について ~社会貢献をしながら企業成長に繋げる~

近年、国内の雇用情勢は景況感の改善により良好な状況が続いており、大手企業を中心に新卒の大学生を確保するために苦心するような状況が続いている。中小製造業に目を向ける求職者が多いとはいえない現状では、人材を確保するために様々な企業努力や工夫が必要である。グローバル化が進展する現代において外国人の採用という選択肢もあるが、採用には入管法による制限があり、対象職種がかなり限定される。また、在留資格を取得し就業までたどり着くのは容易でないため敬遠されがちである。

このような中、直接雇用ではないものの「外国人技能実習」という制度がある。この制度は、開発途上国等の経済や産業の発展を担う人材にOJTで日本の技能、技術、知識を学んでもらい、帰国後、これらを活かして母国の経済発展のために活躍していただくことを目的としている。

外国人技能実習 イメージ

かつては、同制度の趣旨を理解しない企業による悪用が見受けられ、技能実習生が低賃金で働かされる等、労働関係法令の違反や人権侵害が生じるようなこともあった。これを改善すべく、2017年11月1日に新たに「技能実習法」が施行された。「技能実習法」に基づく新たな実習制度では、技能実習の適正な実施や技能実習生の保護の観点から、監理団体の許可制や技能実習計画の認定制等が新たに導入された。また、優良な監理団体・実習実施者に対しては実習期間の延長や受入れ人数枠の拡大等、制度の拡充も図られている。本号では、この「外国人技能実習制度」を活用されている大田区企業の経験談をリポートする。

トキワ精機 外観
トキワ精機 外観

今回、取材したトキワ精機株式会社は、大田区の本社工場の他、茨城県に阿見工場、愛知県に名古屋営業所を構える従業員数約100名の油圧用配管継手の専門メーカーである。同社は、新法施行前に約10年、中国人の研修生・技能実習生を阿見工場に受入れた経験があり、過去に累計で約15人、最も多い時で8名を受入れていた。「さすがに8名の受入れ期間中は色々ありました。日本の文化や風土に馴染めず、また社員とのコミュニケーションが取れずに一年足らずで帰国してしまった研修生もいましたが、真面目に取り組む方が多く業務の安定化に繫がったのは有りがたかったです」(木村社長)。しかし近年、中国国内の経済状況の変化や労働者賃金の上昇等によって希望者が徐々に減少したことから、受入れを止めてしまったそうである。

木村社長
木村社長

そして新法施行後の今回、同社は経営コンサルタントの紹介・アテンドにより、監理団体を通じてミャンマーからの技能実習生を受入れることになった。今秋からの受入れに向け、既に6名が技能実習生候補として決定され、まずはミャンマー国内での日本語研修からスタートする予定である。技能実習生の中にはミャンマー国内の大学を卒業した方等、6名全てが未来ある20代の若者である。「技能実習を通じてものづくりを理解し、将来的には母国の経済発展に役立つ人材に育って欲しいです。また、日本のものづくりに触れて、日本の技術者と一緒に新しいものづくりの在り方を世界に発信できる人材にまで育ってくれると嬉しいです」(木村社長)。と大きな期待感を示された。

外国人技能実習 イメージ

若い活力ある技能実習生が3年間、現場で技能、技術、知識の習得に励むことは、受入れ企業に業務の安定化や活性化をもたらすものと思われる。社会貢献の一助を担いながら企業成長に繋げることが出来る「外国人技能実習制度」の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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