冠動脈バイパス手術における内視鏡下静脈グラフト採取術(EVH)
訓練用シミュレータ TAMAGOYAKI

第32回入賞製品・技術

優秀賞

冠動脈バイパス手術における内視鏡下静脈グラフト採取術(EVH)<br>訓練用シミュレータ TAMAGOYAKI_写真

ヒトの静脈の感触、癒着剥離間隔をリアルに再現した血管モデル

概要

訓練用静脈血管モデルの開発

本製品は、「内視鏡下静脈グラフト採取術(EVH)」と呼ばれる、心臓の冠動脈バイパス手術におけるグラフト血管の採取法をトレーニングするための「訓練用静脈血管モデル」です。
EVHは患者の負担が軽く術後の感染リスクを大幅に低減できるメリットがありますが、内視鏡下で長い静脈を採取するため、脂肪層と血管を剥離しながら、静脈の枝を切断、止血する手技にテクニックが必要となります。この静脈血管採取手技のトレーニングモデル TAMAGOYAKIを開発しました。

特徴

複数種類のシリコンを用いて、脂肪やヒトの複数レイヤー構造の再現

従来の血管モデルは、黄色いスポンジ状の脂肪モデルに、硬いラテックス製血管モデルを縫い付けた構造のものであった為、感触や管の性状・脆弱性、ダイセクション時の血管損傷を評価できない問題がありました。そこで、弊社の創業以来14年かけて培ってきたシリコーンゴム・ゲルの加工技術を駆使し、リアルな静脈採取シミュレータを開発しました。モデルは皮下脂肪を模したシリコンに血管モデルを埋め込み、血管を脂肪から剥がす感触や静脈の柔らかさ、もろさを実際の血管に近づけて再現しました。

冠動脈バイパス手術における内視鏡下静脈グラフト採取術(EVH)訓練用シミュレータ TAMAGOYAKI 写真2

用途

国内外の心臓血管外科医のトレーニングに

EVHは従来の手術方法より高い技術を要すため専門機器の訓練が必要ですが、良いシミュレータ、訓練方法が確立されていませんでした。この問題を、世界最大手であるゲティンゲ・グループから相談され、大田区において新製品新技術開発支援事業を活用し、課題解決となる本製品を完成させました。本製品は聖路加国際病院心臓血管外科との臨床研究により訓練効果を実証し、静脈採取医療機器の世界最大手であるゲティンゲ・グループ社へ採用され国内外に展開しております。(2020年7月以降、米国、欧州、アジア各国展開)

冠動脈バイパス手術における内視鏡下静脈グラフト採取術(EVH)訓練用シミュレータ TAMAGOYAKI 写真3

講評

この製品は、血流のバイパスのための血管を内視鏡下で採取する手術の訓練のための模擬組織です。
冠動脈バイパス手術に使用できる長い静脈血管を採取する難しい手術の訓練を的確に行うため、これまでに培ってきたシリコーンゴムの加工技術を駆使して、模擬手術における感触や血管の性状を実物に近づけ、枝静脈の切断や止血も模擬できるよう工夫されている点が高く評価されました。医療機関と連携して訓練効果を実証し、国際的医療機器企業と連携するなど、実績を上げている点も評価点です。この分野で世界のデファクトとなることを期待いたします。

企業情報

社名 イービーエム株式会社
住所 〒143-0013 東京都大田区大森南4-6-15
TEL 03-5737-2884
FAX 03-6893-1754
メール park@ebmc.jp
HP https://ebmc.jp/
業種 製造業
事業内容
  • 医療教育用シミュレータの研究、開発、製造、販売、及び輸出入
  • 医療機器、医療用画像解析ワークステーション、及び血流解析プログラムの研究、開発、製造、販売、及び輸出入
  • 医療、及び医療教育に関するイベント、セミナー、学術集会、研究会等の企画、及び運営
経営支援部イノベーションセクション
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