全窒素・全りん測定セット(高圧)

第31回入賞製品・技術

奨励賞

全窒素・全りん測定セット(高圧)_写真

家庭用圧力鍋を用いた、誰でもどこでもできる全窒素・全りん(窒素・りん化合物)の測定

概要

全窒素・全りんの簡易測定セットを開発

全窒素・全りん測定セット(高圧)は、環境保全の観点から重要視されている指標の一つである全窒素・全りん(窒素・りん化合物)を簡便に測定できる製品です。
全窒素と全りんの測定には、酸化剤による分解前処理が必要となるため、従来の測定方法では煩雑な前処理操作、高価な前処理装置が必要でした。そのため、排水の日常管理や環境測定の現場では、より安価で簡便に測定ができる方法が求められていました。
本製品では、それらのニーズに応えるため、煩雑な分析操作の一つひとつを独自の技術で簡易化しコストも抑えた、誰でも簡単に全窒素と全りんの測定を行なえる方法を確立しました。

特徴

簡易測定セットとしての工夫

「大型の機器や専門的な知識が不要な製品」をコンセプトに家庭用圧力鍋を前処理装置として使用する全窒素・全りんの測定方法を確立しました。測定1回あたりの検水量を少量に設定することで、器具類のコンパクト化を実現しています。必要な器具・試薬類は、全てセットになっており、すぐに測定を始められます。試薬は、毒物及び劇物取締法に該当せず安全性の高い製品です。
また、大型装置の代替として家庭用圧力鍋を採用することで、低コスト化を達成し、従来法の1/5程度の価格設定が可能となりました。

全窒素・全りん測定セット(高圧)写真

用途

中小規模の事業所から学術研究・教育機関まで

窒素・りん化合物は、生活排水や工場排水等に含まれており、湖沼や海域での富栄養化の原因となります。そのため、環境基準や排水基準が設定されており、工場などの事業所では、日常的な排水の管理が求められています。
本製品は、大型の分析装置を必要とせず、測定も簡便にできるように工夫されているため、今まで装置導入が難しく日常的な測定ができなかった中小規模の事業所で利用されています。また、価格が比較的安価なため、学術研究機関における環境測定や教育機関での教材としても活用できます。

株式会社共立理化学研究所写真

講評

本製品は、同社の誇る「デジタルパックテスト」による水質検査で全窒素・全りん含有量を計測する際の分解前処理を簡便かつ高精度に行う工夫をした製品です。光触媒と紫外線照射によって窒素・リン化合物の分解前処理を行う製品の後継として、本製品では高圧加熱分解を用いていますが、加熱・加圧のために複雑なオートクレーブに代えて調理用の圧力鍋を利用し利便性を高めるという発想に審査員一同、意表を突かれました。こうした創意工夫で今後も新しい分析装置を開発し続けていただけるよう期待いたします。

企業情報

社名 株式会社共立理化学研究所
住所 東京都大田区田園調布5-37-11
TEL 03-3721-9207
FAX 03-3721-0666
メール kyoritsu@kyoritsu-lab.co.jp
HP https://kyoritsu-lab.co.jp
業種 化学工業
事業内容 水質の簡易分析製品の開発・製造・販売
経営支援部イノベーションセクション
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