半自動ポイントリフローツール(APR-10)

第24回入賞製品・技術

奨励賞

半自動ポイントリフローツール(APR-10)_写真

概要

表面実装値部品の半田付は、そのほとんどが印刷法による半田投下とコンベア式リフロー炉で自動的に行われます。センサーや各種モジュールでは一部のパーツを残して自動実装しますが、残された特定パーツは個体毎の特性に依り調整し最適化(トリミング)した定数を用いて手作業で後付けせざるを得ません。此の際のパーツは微細なチップパーツがほとんどであり、しかも狭小スペースへの搭載が通常です。前工程のリフロー半田付は非接触加熱で行われますが、後付パーツは数も少ないことから接触式の半田ゴテで行うことが一般的です。しかし、ここで様々な問題が出ます。

  1. パーツがコテについて移動する
  2. 半田の量が一定にならない
  3. 加熱時間が管理できない
  4. 作業者の練度で品質が左右される

これ等の点を解決する手段として新発想の熱チャージャーと加熱制御方式を考案した結果、オペレーターフリーで高品質の鉛フリー半田付を実現しました。

本製品(APR-10)の特長とその効果

  1. 蓄熱方式 ヒーターで作られた熱気を一定温度でチャージャーに蓄えておくことで、使用する時に吐出ポンプONと同時に所定の熱気を取出せる
    【効果  ヒーターが立上る待ち時間がない】
    温度上限を越えることがない
  2. 微風式  蓄えている熱気を最小限の熱風流量に設定できる
    【効果  周囲への熱散乱を最小限にできパーツが熱風によって移動しない
    熱風で包み込む様に加熱する為ボイドが少く酸化が抑制される】
  3. 位置管理 ノズルの中心からレーザー光で加熱点をガイドできる (光ガイドは垂直に当る)
    【効果  1×0.5mm 高さ0.3mm 程度の微小パーツの正確な中心合わせが可能】

特徴

  1. 非接触
    1mm角程度のチップパーツを半田付する際、半田ゴテで接触して加熱するとパーツが半田ゴテ側に付着したり動いてしまう問題を解決します。
  2. 温度管理
    加熱する熱気をチャージャーに蓄えておき、この一定の熱気をパーツに加熱しますから過熱に依る損傷がありません。
  3. 正確な加熱位置
    熱気吹き出しノズルの穴から光レーザービームが垂直に出ますので位置ズレがなく最も良い条件で位置決めして加熱できます。
  4. 加熱ギャップと加熱時間
    熱風吹き出しノズル下降レベルと加熱時間をダイレクトティーチングでき、次回からはスタートスイッチを押すだけです。

講評

奨励賞に選ばれた『半自動ポイントリフローツール(APR-10)』は、電子回路基板上の微細なチップ部品単位で半田のリフローが可能な加熱装置です。チップ部品を用いた電子回路基板が増えている中で、試作や手直しなどでこうした製品が求められる機会も多くなっており、微細な領域を高精度に位置制御して加熱できる機構、部品の過熱を防ぐため蓄熱チャージャーを設けて温度を安定させる工夫や、加熱位置を目視できるようにしたガイド機構など、製品として良く練り上げられている点が高く評価されました。

企業情報

社名 奥原電気 株式会社
住所 〒143-0014 大田区大森中1-2-10
連絡先 TEL:03-3763-2231
FAX:03-3768-0568
URL http://www.okuhara-elec.com/

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