
- > 大田区のものづくりメディア「テクノプラザ」
- > 記事一覧
- > 『連携事例』の記事一覧
- > 【後編】技術と体験をつなぐものづくり

東洋製罐グループが注力するテーマの一つがPLA(ポリ乳酸)の活用です。植物由来原料から生成されるこの生分解性素材は、環境負荷低減の観点から注目されています。
一方で、使用後の処理や分解プロセスには課題が残されており、適切な再資源化の仕組み構築が求められています。
こうした課題に対し、同グループでは、短時間でポリ乳酸を分解できる技術を開発して、その分解プロセスそのものを可視化するアプローチを採用しました。開発されたPLA可溶化槽は、単なる実験装置ではなく、仕組みを社会に伝える“体験型装置”として設計されています。
透明構造により内部変化を観察できる一方で、安全性・耐久性・温度管理・適正撹拌性などの技術要件も満たす必要がありました。

本装置の開発では、複数の大田区企業が役割を分担し、専門性を活かした分業体制が構築されました。
これにより、高度な要件を満たしながら短期間での試作が実現しています。
完成した装置は、大規模イベントや展示会で実証が行われました。約6.8万人が来場したフェスティバルでは、容器が分解される様子が公開され、多くの来場者の関心を集めました。またEXPO2025大阪・関西万博での展示ではクイズ形式を取り入れ、子どもから大人まで幅広い層への理解促進につながりました。
来場者からは「仕組みが初めて分かった」「是非、実現してください!」といった声も寄せられ、技術の“見える化”の有効性が確認されています。

こうした技術開発と並行し、クリエイティブの力を活用した取り組みも進められています。その代表的なパートナーが京浜島にある株式会社道道です。
同社は、廃棄物や使用済み素材を用いたアート・プロダクト制作を通じて、環境課題を視覚的・体験的に伝える活動を行っています。

協働プロジェクトとして制作された「ゴミのなる木」は、実際のパッケージ素材を用いたインスタレーション作品で、木に実っているゴミと同じものをこのゴミ箱に捨てるというコンセプトです。
一見すると美しいオブジェでありながら、その素材はすべて廃棄予定だったものです。このギャップが来場者に強い印象を与えています。素材の違いや分別構造も視覚的に理解できるよう設計されており、楽しみながら環境課題に触れられる点も特徴です。
この取り組みは単なる展示制作にとどまらず、技術情報を社会に翻訳する役割も担っています。
東洋製罐グループの取り組みは、単なる技術開発にとどまらず、それを社会へ届ける仕組みづくりそのものにも広がっています。地域企業との連携、技術とデザインの融合、体験を通じた理解促進など、複数の要素が掛け合わさることで新たな価値が生まれています。
さらに本取り組みは、大田区産業振興協会をはじめとする支援機関や、大田区内製造業との連携により、地域産業の強みを活かした共創モデルへと発展しつつあります。
加工・試作・仕上げといった多様な技術を持つ大田区企業との協働により、より実装性の高いものづくりの実現が期待されています。
東洋製罐グループホールディングス株式会社
住所:東京都品川区東五反田2-18-1
HP:https://www.tskg-hd.com/
菱和工業株式会社
住所:東京都大田区東糀谷5-20-19
電話:03-3745-0721
HP:http://www.ryowa-kogyo.co.jp/
有限会社関鉄工所
住所:東京都大田区大森西4-17-27
電話:03-3761-3167
HP:https://sekiiron.com/
株式会社シンシ
住所:東京都大田区下丸子2-17-4
電話:03-3759-7811
HP:http://www.shinshi-kk.com/
株式会社善大工業
住所:東京都大田区羽田4-18-5コーポ大草1階南側
電話:03-6423-6735
HP:http://www.zendai.co.jp/
有限会社山田製作所
住所:東京都大田区上池台5-34-12
電話:03-3729-5191
HP:https://www.yamada-ss.jp/index.htm
株式会社道道
住所:東京都大田区京浜島2-13-11
HP:http://dodotokyo.com