研究開発特別講演

10月22日(木) 13:15〜14:15
バーチャルエンジニアリングがもたらす製造業の大変革
東京電機大学非常勤講師
博士(工学)機械学会フェロー
内田 孝尚

21世紀に入り、世界の製品開発、ものづくりの流れが大きく変革した。従来は "設計の全仕様" "製造の全要件" は量産前までに決められた。これらが、コンセプト、企画検討段階で従来以上のレベルで決まるバーチャルエンジニアリング技術基盤として動き出した。その基本は2D図が3D図となり、図面通りにモノが出来るようになったことにある。実物の代わりに3Dのバーチャルモデルを取引対象としたビジネスモデルが生まれ、バーチャルエンジニアリング推進のための規格、契約ルール、 教育等の社会システムが既に動いている。そのバーチャルエンジニアリング技術と社会システムの連携した世界の動きの実態と日本の課題を説明する。
講師プロフィール
1979年(株)本田技術研究所入社。2018年同社退社。現在、雑誌、書籍、日本 機械学会等を通じて設計・開発・ものづくりに関する評論活動に従事。東京電機 大学非常勤講師、博士(工学)、日本機械学会フェロー。著書『バーチャル・エンジニアリング、Part2、Part3 』(2017、2019、2020年刊)、『ワイガヤの本質 』 (共著、2018年刊)、「バーチャルエンジニアリングの衝撃」(雑誌『機械設計』連載)
10月23日(金) 13:15〜14:15
量子コンピュータの実用化で世界が変わる
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
社会基盤センター イノベーション推進部
先端リサーチグループ 主任
鷲見 拓哉

2019年秋、Googleが実物の量子コンピュータを用いて量子超越性を実証したことで、その実用化に注目が集まっている。計算速度の飛躍的な向上を実現する量子コンピューティングを導入することで、様々な分野でコスト削減や業務改革、新たなビジネスの創出が実現できると期待されている。
本講演では、世界各国が量子コンピューティングに何を期待し、どのように研究開発を進めているのか、また、先進的な技術を提供するスタートアップやその利活用に取り組む企業の事例を踏まえつつ、量子コンピューティングの実用化が社会やビジネスにどのような影響を与えるのか、技術を利用する企業としてどのような準備を進めておくべきなのかを解説する。
講師プロフィール
2014年4月にIPAに入構。2019年4月から現職。新しいデジタル技術の社会実装、技術進展等に関する調査業務に従事。主な担当は、量子コンピューティング、ブロックチェーン。