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- > 行政支援を味方に!大田区ものづくり企業がSDGsで選ばれる存在になるには

近年、気候変動対策や持続可能な社会の実現が重視される中、製造業においてもSDGs(持続可能な開発目標)への対応が強く求められています。特に製造業は、エネルギーの消費やCO₂排出が多い業種であり、環境負荷の低減に向けた取り組みが不可欠です。
SDGsへの対応は、従来の社会貢献活動の枠を超え、企業経営に直結する重要な課題となっています。加えて、環境への配慮は企業の競争力強化にもつながり、企業評価の向上や新たなビジネスチャンスの創出にも寄与します。今回は、大田区のものづくり企業がSDGsに取り組む必要性と、実際に受けられる行政支援をご紹介します。
エネルギーコストの高騰は、製造業にとって大きな負担です。省エネ対策を進めることで、コスト削減と財務の安定化が可能になります。また、脱炭素社会への移行が加速する中、大企業の動きに呼応して、中小企業にも環境目標の達成が求められる機会が増えています。
SDGsの推進は、単なるコスト削減にとどまらず、企業の信頼性向上、取引先からの評価アップ、新規事業の創出など、多方面にわたるメリットをもたらします。
SDGsへの積極的な取り組みは、若手人材の採用にも効果的です。多くの若年層は、環境意識の高い企業に魅力を感じており、企業ブランドの価値向上が人材確保や離職率の低下につながります。

脱炭素を進めるには、自社のエネルギー使用状況を「見える化」することが重要です。次の1~3の順に進めることで、使用状況を的確に把握し、戦略的な省エネ施策につなげます。
1.エネルギーマネジメントシステム(EMS)の導入: 工場全体のエネルギー使用を
リアルタイムで把握。
2.データの活用: 設備別エネルギー消費量を把握し改善点に優先順位をつける。
3.PDCAサイクル運用: 優先順位の高い事項からPDCAサイクルに基づいて実施。
大田区のものづくり企業が、現場で実践できる省エネ対策をご紹介します。
・空調の効率化:設定温度の見直しやフィルター清掃で省エネ効果を実現、ビニールカーテンや断熱塗装の活用。
・LED化: 照明をLEDに切り替えることで最大80%の省エネが可能。
・高効率機器の導入: 最新機器によるエネルギー削減。
・再エネ活用: 太陽光発電や蓄電システム導入で電力コスト削減を図る。
省エネ設備導入は初期費用が高額です。しかしながら助成金や補助金を活用すれば、経済負担を大幅に軽減できます。セミナーの受講や専門家による相談窓口もございますので、ぜひご活用ください。
大田区の中小企業(事業期間1年以上)向けの支援です。脱炭素化または生産性向上のための建物付帯設備の整備等で、1事業者あたり最大1,000万円(ファブレス企業最大500万円)が支給されます。※2025年度の申請は12月末日受付分まで。
SDGsに関するセミナーやワークショップ、専門家による窓口相談なども実施しています。
当協会にて、1年に1度、他の工場の模範となる優れた工場を認定しています。審査基準は「技術・技能および経営に優れている」ことはもちろん、労働環境や福利厚生、人事評価制度など「人に優しい」こと、周辺環境との調和、地域社会との連携、環境負荷の低減など「まちに優しい」ことを重視し、平成7年度の表彰制度開始以来、昨年度までに延べ309社を認定しました。
制度開始31年目を迎える本年度は、新たに10社を「優工場」に認定しました。SDGsへの取り組みは、こうした認定制度の取得にもつながり、自社のブランド価値向上に寄与します。
※2025年度の認定受付は終了しました。

大田区では、事業者の認知度向上による事業・活動機会の拡大や地域経済の活性化、事業者の更なるSDGs推進につなげるため、SDGsの達成に向けて取り組む区内事業者を認定し、支援しています。認定を受けた事業者には、区HPにて取組内容等の紹介や、区中小企業融資あっせん制度「SDGs・脱炭素推進企業支援資金」の限度額拡大など、様々なメリットがあります。※2025年度の認定受付は終了しました。
持続可能な社会の実現に向けて、ものづくり企業が果たすべき役割はますます重要になっています。大田区内の支援制度を活用し、SDGsを経営戦略に取り入れることで、企業の競争力と社会的信頼を高めることが可能です。未来志向の経営に向けた一歩を、ぜひ踏み出してみませんか。