大田区産業振興協会

【産学連携事例】学生の発想と企業技術が生んだ大田区発BtoC商品

学生と企業の連携で生まれた商品

東京工科大学の学生と大田区のものづくり企業である株式会社立昌製作所が連携し、BtoC商品を開発する産学連携プロジェクトが実現しました。本取り組みは、大学と大田区産業振興協会(以下、協会)によるデザイン連携の一環としてスタートしたものです。学生の自由な発想と柔軟なデザイン思考、そして企業の精密加工技術を掛け合わせることで、それぞれの強みを生かした商品づくりが進められました。学生にとっては実素材を用いたものづくりの経験となり、企業にとっても新たな視点を取り入れる機会となりました。

技術力と発想の融合による取り組み

立昌製作所は、NC自動旋盤(数値制御により高精度な加工を行う工作機械)による金属精密切削加工や穴あけタップ加工を得意としています。これまで培ってきた技術を生かしながら自社製品開発にも取り組む中で、デザイン面における新たな可能性を模索していました。一方で、学生が持つ自由な発想は、従来の製造現場にはない視点をもたらします。両者の強みを組み合わせることで、これまでにない価値の創出が期待されました。

マッチングが生んだ出会いと役割分担

こうした連携のきっかけとなったのが、協会によるマッチングです。学生のアイデアに対し、実装可能な技術を持つ企業として立昌製作所が紹介され、プロジェクトが具体化しました。開発は、学生・教員・企業が一体となって進行。図面を作成して終わりではなく、試作段階から継続的に意見交換を行いながら、形状や構造の検討を深めていきました。意思決定のスピードや柔軟な対応も、開発を後押しする要素となりました。

試作を重ね、完成度を高める

開発では実素材を用いた試作を繰り返し、設計や加工方法の検討が重ねられました。3Dプリンタによる試作では得にくい、重量感や質感、光の反射、エッジの仕上がりといった要素を、実際の加工を通じて確認できたことは学生にとって大きな学びとなりました。こうしたプロセスにより、設計変更にも柔軟に対応しながら、製品の完成度を高めていきました。約10か月にわたる開発期間を経て、完成した商品は展示会で発表され、取り組みの成果が広く発信されました。

外部発信と継続的なブラッシュアップ

展示会での発表にとどまらず、本プロジェクトではグッドデザイン賞への応募にも挑戦しました。結果として受賞には至らなかったものの、一次審査を通過するなど一定の評価を得ることができました。その過程では、展示方法やストーリー構成の見直しなど、発信の在り方についても検討が重ねられました。学生を中心に継続的なブラッシュアップが行われ、プロジェクトは発展的に取り組まれています。

「共に作る」関係性が生む価値     

本プロジェクトで特徴的だったのは、学生・企業・教員が密に関わる「共に作る」体制です。試作にはコストや時間が伴うため、企業側の理解や取り組み姿勢も重要となりますが、目標を共有しながら開発を進めることで、最後までやり切る体制が築かれました。このような協働の積み重ねが、商品の完成度向上だけでなく、関係者それぞれにとっての学びや気づきにもつながりました。

教育的価値と今後の可能性

学生にとって、実際の製造現場に触れる経験は大きな学びとなります。工場見学や現場でのやり取りを通じて、設計だけでは得られない知見を体感することができました。こうした経験は、将来のキャリア形成にもつながる可能性があります。

また、デジタル技術やAIの進展が進む中で、素材感や仕上げといったフィジカルな領域の価値も改めて見直されています。町工場が持つ現場の知見と、学生の発想力を掛け合わせる取り組みは、今後さらに重要性を増していくと考えられます。

マッチングが拓くものづくりの可能性

近年、ものづくりにおいては多様な連携の重要性が高まりつつあります。協会が担うマッチングは、企業や学生が出会い、意見を交わすきっかけの一つとして機能しています。

本事例も、異なる立場や強みを持つ主体が関わることで、新たな気づきや可能性が生まれることを感じさせる取り組みとなりました。こうした産学連携の積み重ねが、今後のものづくりや人材育成の広がりにつながっていくことが期待されます。

企業紹介

株式会社立昌製作所
住所:〒144-0046 東京都大田区東六郷3-3-14
電話:03-3738-4487
HP:https://risho-mfg.com/

 

 

テクノプラザトップに戻る

PAGE TOP