「樹脂の声」を聴くエンジニア集団

大田区大森南。閑静な住宅街の一戸建てが立ち並ぶ一角にある町工場が日新電気さん。「大田区の町工場」という言葉がぴったりの立地環境です。入口には大田区の中でも特に優れた工場が認定される「優工場」の証明である金看板が掲げられていました。同社ではどんな人材が働き、活躍しているのだろうか。代表の奥山さんにお話を伺った。

日新電気株式会社 代表取締役 奥山 隆行 氏

二代目として、承継した町工場

─どのような会社なのか、簡単に教えていただけますか。

当社は私の父が創業した会社で設立は1967年、50年以上の歴史がある町工場です。創業当初は主に電気部品の「端子盤」の製造を行っていて、そこから日新「電気」という社名が命名されました。電気部品からはじまった会社ですが、今は樹脂・プラスチックの加工を中心とした多種多様なものづくりを手がけています。

私が当社の二代目で、創業50年の節目に父から会社を承継しました。

ただ、最初から後を継ぐかは決めておらず、大学卒業後は一般企業に入社してサラリーマンとして働いていました。

一方で父が創業し、何十年と続けてきた会社です。世に残していきたいとい気持ちもあり、2001年に勤めていた会社を辞め、日新電気に入社しました。

工業系の学校を出ていた訳ではありませんので、入社当初はものづくりの知識も経験もありません。日々、仕事をしながら学んでいく状況です。10年位はがむしゃらに働き続ける日々でした。

現場の知識・技術を学びながら、経営面としては設備投資も行ってきました。入社当時は汎用機械しかありませんでしたので、NC(数値制御)の工作機械やマシニングセンタを導入してきました。

また、当時はインターネットが一般化してきた時代です。ウェブの活用も積極的に進め、ホームページの作成はもとより、ウェブでの注文受け付け機能を設けたのは、業界の中ではかなり早かったと記憶しています。

インターンシップを積極的に受け入れる

─人材の採用・育成についてはいかがですか。

採用については事業を承継する前から、先代の社長から権限を持たせてもらっていまして、ここでも試行錯誤を繰り返してきました。

最初は採用対象として「経験者」を求めていました。やはり、知識・経験があった方が即戦力になってくれるという期待があったからです。

しかし、経験があっても自分のやり方に固執してしまう方や、周囲と協調して仕事を進められない方だと長期的に見て成果が出すことが難しいですし、定着もしません。

未経験でもいいので、意欲がある、そして周囲と連携を取りながら仕事を進められる、そんな人材を求めるようになりました。仕事を覚えてもらうのに時間はかかりますが、結果的にそのような人材が、当社では大きな力となっています。

─現在、力を入れている取り組みなどはありますか。

継続的に取り組んでいるのは学生の「インターンシップ」の受け入れですね。学生がある程度の期間、企業で就業体験するという制度で、当社では高校生・高専生の学生の受け入れを5年以上続けています。

本来、インターンシップ自体は社会貢献の一環ですので、学生との接点は持てますが、それが採用につながるというものではありません。ただ、当社にインターンで来てくれた学生の中から日新電気で働きたいと志望してくれた方もいて、実際に今社員として働いてくれています。

また、学生を受け入れることで、指導する社員が自身の仕事を振り返り、それを他者に伝えることで技術が磨かれる、という効果も感じています。

─若手の採用・育成も積極的にやられているようですね。今の若者の働き方はいかがですか。

今の若い方は物覚えが早いですね。1年も働けば驚くほど成長します。特にデジタルを使った仕事については目を見張るものがあります。

若い方はCAD/CAMでのデータ作成、マシニングセンタでの加工業務などにもすぐ適応します。デジタル技術については外部の講習会なども使って、どんどん伸ばしてもらっています。

─若手の方はうまく育っているようですね。

順調に成長しているように感じます。なので今はあまり構いすぎないようにしています。考えることや判断が必要な時、先回りでフォローをしていてはいつまで経っても成長できません。彼ら自身に判断してもらう機会をつくるようにしています。決断し、時には失敗を経験することでしか学べないものが確実にあります。

─待遇や福利厚生などはいかがですか。

今の若い子はプライベートの時間も重視します。私が若かった頃のように仕事とプライベートが混じるような働き方は好まれません。

残業はほとんどなくなりましたし、有給休暇も気軽に取れる環境です。福利厚生サービスに加入するなど、社員の労働環境の向上にも取り組んでいます。

 

 

 

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