ホットランナー成形装置「SEPT」
奨励賞

ホットランナー成形装置「SEPT」
概要
プラスチックの危機を救うホットランナー
近年は、環境負荷低減の観点からも軽量化などのために、金属代替として耐熱性や強度に優れたプラスチックの需要がますます高まっている一方、地球温暖化や海洋プラスチック問題により、プラスチック利用量の削減が世界的に求められています。ホットランナーはプラスチック製品を成形する際に発生してしまう廃棄プラスチックを無くすシステムで、従来からある技術ですが、熱変化に弱いプラスチックへの利用が難しいという課題がありました。本製品はあらゆるプラスチックに対応できる特許技術を持った新しいホットランナーシステムです。
特徴
特許取得の技術によりホットランナーノズルの温度均一化を実現
ホットランナーノズルは放熱とヒーター熱量の関係から、温度分布の均一化が非常に難しく従来から課題とされていましたが、SEPTは今まで他のメーカーでも例のない特許取得のヒーター技術により、温度分布を大きく改善することが出来ました。また、ノズル先端部品の材質に超硬を採用し、成形品強度向上のために添加されるガラス入り樹脂による製品摩耗を低減し、保守サイクルを延ばすことを可能としました。これにより幅広い樹脂が対応できるようになり、成形品の生産性向上や環境負荷低減にも寄与します。


用途
スーパーエンプラやバイオプラに新たな可能性を
特に自動車産業において電装化・HEV・EV の普及により更に増加することが見込まれているスーパーエンジニアリングプラスチックや、環境問題を解決すべく最近急激に需要が増えてきているバイオプラスチックを主なターゲットとして開発されました。これらの材料は非常に高額ですが、その機能特性を守るため再利用が出来ないというものも多く、無駄なスプルーやランナーは廃棄せざるを得ません。また成形性の課題も抱えています。本製品は、成形時の歩留まり率向上や生産性向上を実現し、環境負荷の低減に大きく貢献します。


講評
省資源化の観点からプラスチック射出成形品のランナーをなくすことができるホットランナーの需要が高まっていますが、ホットランナー内の温度分布によって成形前の材料に劣化が生じることがありました。この製品は、均一な温度分布を実現できるようホットランナー内のヒーター配置を工夫したもので、過熱劣化に特に敏感なスーパーエンプラやバイオプラスチックなどの高機能材料にも適用できるようにした点が高く評価されました。ホットランナーを長年製造してきた同社だからこそできる技術であり、業界内でのさらなる普及を期待いたします。
企業情報
社名 | フィーサ株式会社 |
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住所 | 〒146-0082 東京都大田区池上7-12-11 |
TEL | 03-3754-0665 |
HP | https://www.fisa.co.jp |
業種 | 生産用機械器具製造業 |
事業内容 |
・静電気除去装置 (ダイナックシステム)製造・販売 ・ホットランナー成形装置 (プラゲートシステム)製造・販売 ・LIM(液状シリコーンゴム)成形装置 (シムゲートシステム)製造・販売 ・ヒーター・工業用センサー輸入販売 (サーモコアックス) |