溶接ビード自動研削装置「SE・サンダー」
最優秀賞

溶接ビード自動研削装置「SE・サンダー」
概要
溶接ビード研削の自動化の実現
本製品は、造船、橋梁、鉄骨、タンク、ボイラー、プラントなど様々な業界で施工されている溶接のビード (金属と金属を溶かして接合する際に表面に出来る「かまぼこ」のような凸形状の盛り上がり)を任意の高さまで自動で研削するものです。研削したい溶接ビードと平行に板ばねレールをマグネットで固定し、そのレール上を走行しながら両端に付いたリミットスイッチにより往復運動し溶接ビードを自動で研削。母材まで削らないように、研削終了高さの設定も出来ます。本体重量は8.6kg、レールは4.8kgなので、セッティングも一人で簡単。自動化により大きな省力化を可能にしました。

特徴
今まで世の中に存在しなかった走行機構の開発
本製品の特徴は、走行機構にあります。板ばね鋼のレール(厚さ1.5mm)を使用し、その板ばね鋼に、歯車が噛みこむ穴を精密にレーザー加工し、走行台車中心部に配置された歯車と、走行台車の両側に回動可能に配置された補助台車との3点で保持する機構を持ったメカ機構にした為、曲線部(内R、外R)にも適応可能になりました(特許取得済み)。また、特殊なリンク機構を発想したことで、ワンタッチで機械の脱着が出来るようになりました。さらに、ベルトサンダーを搭載することにより「SE・サンダー」が完成しました。

用途
今後の労働人口減少に大きく貢献出来る自動化のニーズ
溶接ビードの研削は、現状、手作業で行われていますが、その作業は、きつい、汚い、危険が伴った3K労働の際たるものです。過酷労働ゆえ、今後労働人口減少により人手不足となることが想定されます。本製品のように作業姿勢を選ばずに使用出来る自動研削装置を開発及び導入することで、人手不足解消に大きく貢献していくものと思われます。今後は自動研削装置の販路拡大を進めつつ、本開発の走行機構を使用した諸装置(溶接、切断、ハツリ、余熱、検査など)への展開も視野に入れ、シェアの拡大を図ります。
講評
鋼板を溶接した際にできる盛り上がり(溶接ビード)は仕上げ時に削り落とす必要がありますが、船体やタンク等のように構造物が大きいと、その作業は大変な重労働になります。この製品は溶接ビードを自動研削する装置で、対象物が凹凸いずれの曲面であっても対応できるよう工夫されています。性能や使い勝手などの完成度の高さに加え、作業者の負担を大幅に減らすことができること自体が高く評価されて、最優秀賞に選ばれました。建築・土木を含め、大きな物を作り出す分野で活躍する作業者が集めにくくなっている現在、こうした課題の解決へ一石を投じる製品として普及発展を期待いたします。
企業情報
社名 | 株式会社カットランドジャパン |
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住所 | 〒144-0056 東京都大田区西六郷2-38-6 |
TEL | 03-6424-9684 |
お問い合わせ先 | https://cutlandjapan.co.jp |
業種 | 製造業 |
事業内容 |
1.溶接ビード自動研削装置「SE・サンダー」の製造・販売 2.省力化機器の設計及び製造 3.廃炉向け遠隔工事用装置の設計及び製造 |