“質問”ひとつで客単価は上がる!〜質問の魔力〜

あきない活性化コーディネーター
東 則行

「もっと客単価を上げたいけれど、どうすればいいのか分からない」
「おすすめしているのに、なかなか注文につながらない」

そんな悩みを抱えている飲食店や小売店の皆様へ。

今回は、売上アップにつながる「質問」の使い方についてご紹介します。

「何かご注文はありますか?」では、お客様は動かない

ある居酒屋にはこんな悩みがありました。

『客単価をもっと上げたいのだけれども、どうしたらいいだろうか?』

この悩みを解決するために、この居酒屋ではオーダーの取り方を少し変えたところ、

客単価が上がりました。一体オーダーの取り方をどう変えたのでしょうか?

Before→「ラストオーダーです。何かご注文はありますか?」

After→「ラストオーダーです。シメは何にされますか?」

「ラストオーダーです。何かご注文ありますか?」と聞いてしまうと、次のことが起きがちです。

・多くの人が習慣で大丈夫ですと答える。

・ラストオーダーだから頼むのは申し訳ないなという意識も働く。

そこで上記のような質問にすることでお客さんの脳が働き始め、具体的に何を注文しようかと考えてもらうことが期待できます。

「ラストオーダーです。シメは何にされますか?」この質問に変えてからシメを注文してくれる確率が各段に上がりました。結果、客単価の増加につながったのです。たった1つの質問を変えただけの変化です。

「飲む・飲まない」ではなく「次は何を飲むか」に視点を移す

この居酒屋では他にも質問を変えたことがあります。それまでは空いたお酒などのグラスを見て、店員さんは「飲み物どうされますか?」と聞いていました。この質問を「次は何を飲まれますか?」に変えたところ、追加注文が増え、さらに客単価が上がったのです。

良い質問をすれば売り上げがアップする。たった1つの質問で、売り上げが上がったり下がったりするのです。

こういった質問はお客さんの視点をシメや次に飲むものに向かわせます。これらを「視点を狭める質問」と呼んでいます。この視点で質問を考えることで、お客様の注文が変わります。楽しいでしょ!

ファッションのお店の事例

「このジャケット気に入られましたか?」 これは直接的な質問で、こう言われても、お客さんがこのジャケットを購入したくなるわけではありません。そこでできる店員は、こんな質問をするそうです。

「こちらとこちら、どちらの色がお好きですか?」 この質問のポイントは買うかどうかを聞くのではなく、どれを買うかに意識を向けてもらうことです。

ちなみに「はい」「いいえ」で終わってしまう質問は、行動を止めてしまうリスクがあります。「買われますか?」「どうされますか?」これはまさに行動が止まる質問です。「このバックいかがですか?」ではなく、「このバッグ、お出かけ用と普段遣いだとどちらで使いたいですか?」このように使う前提で質問する方が、購入してもらえる確率が上がると言われています。

前者の質問は評価を求めています。一方で、後者は相手に使用シーンを想像させています。人は使うイメージができたときに欲しくなることが、できる店員には分かっているのです。

視点を変える・狭める質問

2択の質問をすると、「いいえ」で話が終わってしまうかもしれません。質問に工夫を凝らすことで、相手に視点を変えてもらうことができます。

視点を狭める質問とは、相手が決めやすくなるように設計することです。選択肢を用意する範囲を限定する。

視点が変わり、狭まることで相手は迷いから抜け出し回答しやすくなります。人は重すぎると決められない、少し狭められたときに決められる。それが視点を狭める質問の魔力です。

あきない活性化コーディネーター 東 則行

都立国立高校(野球部)、明治大学経営学部卒業後、(株)神戸製鋼所に入社。 30歳で稼業(ギフト専門店)を継ぎ、32年間経営(現在は不動産、人材育成業)。 2008年から(株)話し方研究所のコミュニケーション講師として活動を始め、新人世代から管理職、シニア層まで幅広く対応し、登壇歴は1000回を超えました。どんな対象者からも親しみやすく、楽しく飽きない、実践的ですぐに業務に活かせる研修との評価をいただいております。店舗運営の経験を活かし、「ご機嫌」をテーマに、コーディネーター&インストラクターに取り組んでいます。趣味は、野球、ゴルフ、テニス、合気道、ジム通い、身体を動かすことが大好きです。