リピーターが増えるお店の秘密      ~デジタルとリアルの両輪で築く、お客様との心地よい関係~

あきない活性化コーディネーター
酒井 めぐみ
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いつも店舗運営にご尽力されている皆様へ。
目まぐるしく変わる社会情勢の中、日々の経営に奮闘されていることと存じます。

さて、突然ですが、皆様のお店には「常連さん」や「ファン」と呼べるお客様はどのくらいいらっしゃるでしょうか。

情報が溢れ、どこで何を買うかという無数の選択肢が、お客様の目の前には広がっています。そんな時代だからこそ、ただ商品を販売するだけではなく、お客様一人ひとりと繋がり、「またこの店に来たい」「あなたから買いたい」と思っていただけるような関係性を築くことが、これまで以上に重要になっています。

今回のコラムでは、多くのお店が頭を悩ませている「顧客との関係性構築」をテーマに、デジタルツールとリアルな店舗でのコミュニケーションを結びつけながら、お客様との絆を深めていくための具体的なヒントをお届けします。

なぜ今、「顧客との絆」が重要なのか?

新規顧客の獲得には、既存顧客の維持に比べて5倍のコストがかかると言われています。もちろん、新しいお客様に来ていただく努力は不可欠です。しかし、一度ご来店いただいたお客様に「また来たい」と思っていただき、リピーター、さらにお店のファンになっていただくことが、安定的で長期的な経営の土台となります。

ファンになってくれたお客様は、商品を買い続けてくれるだけでなく、時には友人や家族に「あのお店、いいよ」と口コミで広めてくれる存在でもあります。まさに、お店にとって最高の応援団とも言えるでしょう。

この「応援団」をいかに増やしていくか。その鍵がとなるの、お客様との継続的なコミュニケーションです。

デジタルで始める、新しいお客様との繋がり方

「コミュニケーションが大事なのはわかるけど、毎日忙しくて…」

そんな店主様の声が聞こえてきそうです。そこでおすすめしたいのが、デジタルツールの活用です。特に、多くの方が日常的に使っている「LINE」「Instagram」は、顧客との関係構築において非常に強力なツールとなります。

【事例1】「お知らせ」だけじゃない!LINE公式アカウントの可能性

LINE公式アカウントを、単なるセール情報や定休日のお知らせを送るためだけのツールだと思っていませんか?それは非常にもったいないことです。
LINEの最大の強みは、「1対1のコミュニケーション」が手軽にできる点にあります。

例えば、

<飲食店なら>
・LINEから予約を受け付け、リクエストに応じてアレルギー対応の相談に乗る。
・「〇〇様、先日はご来店ありがとうございました!」と、お帰りの際に友だち登録してくれたお客様に個別にお礼メッセージを送る。

<美容室・サロンなら>
・施術後のヘアケアやスタイリングの相談をLINEで受け付ける。
・お客様の髪質や肌質に合わせた、次回の最適な来店タイミングを個別にお知らせする

<小売店なら>
・新商品の入荷情報を、興味を持ってくれそうなお客様に絞って個別に案内する。
・ギフト選びの相談に乗り、お客様と一緒に最適なプレゼントを考える。

このように、お客様一人ひとりに寄り添ったコミュニケーションを重ねることで、「自分のことを気にかけてくれている」という特別感が生まれ、お店への信頼と愛着が深まります。

【事例2】「中の人」が見えるInstagram戦略

Instagramは、美しい写真や動画を通じて商品やサービスの魅力を伝えるのに最適なツールです。しかし、ただ綺麗な写真を並べるだけでは、数多くあるアカウントの中に埋もれてしまいます。
ファンを増やすために重要なのは、「お店の“中の人”の顔や想いが見える」ことです。

・完成された商品写真だけでなく、商品開発の裏側や、仕入れのこだわりを紹介する。
・店主の趣味や、お店の日常で起きたちょっとした出来事を、人間味あふれる言葉で発信する。
・お客様からいただいた嬉しい言葉や、お客様との心温まるエピソードを紹介する。

完璧でなくても、少し不器用でも、一生懸命な姿や正直な想いは必ずお客様に伝わります。人は、完璧な「お店」よりも、温かみのある「個人」に親近感を抱き、応援したくなるものです。

「この商品が欲しい」から「この人から買いたい」へ。そう思っていただけるアカウントを目指してみませんか。

リアルな店舗でこそ深まる絆

デジタルツールでお客様との接点が生まれたら、次はその繋がりをリアルな店舗での体験へと結びつけ、さらに関係性を深めていきましょう。

「〇〇さん、この前のインスタの投稿、見ましたよ!」

お客様からこんな風に声をかけられたら、どうでしょうか。デジタルでの発信が、リアルな会話のきっかけになるのです。

「ありがとうございます!あの写真は○○という意図があって…」と会話が弾めば、お客様との心理的な距離はぐっと縮まります。
また、日頃からお客様のことをよく観察し、小さな変化に気づいて声をかけることも非常に効果的です。

「髪型、変えましたね。とてもお似合いです」
「そのバッグ、素敵ですね。今日の服装にぴったりです」

自分のことを気にかけてくれているという事実は、誰にとっても嬉しいものです。マニュアル通りの接客ではない、あなた自身からの言葉が、お客様の心に響きます。

お客様にとって「なくてはならないお店」になるために

今回のコラムでは、デジタルツールとリアルな接客を組み合わせ、お客様との絆を深めるためのヒントをご紹介しました。

1.  LINE公式アカウントで、お客様一人ひとりに寄り添ったコミュニケーションを。
2.  Instagramで、「中の人」の想いや人柄を伝え、親近感を育む。
3.  リアルな店舗で、デジタルでの繋がりをきっかけに会話を弾ませ、パーソナルな声かけを大切にする。

これらは、すぐに大きな売上増に繋がるような特効薬ではないかもしれません。
しかし、一つひとつ丁寧に関係性を紡いでいくことで、お客様はあなたのお店の熱心なファンになり、長きにわたってお店を支えてくれる、かけがえのない存在になってくれるはずです。

デジタルとリアル、この両輪を上手に回して、お客様にとって「なくてはならないお店」となることを、ここ大田区で一緒に目指していきましょう。応援しています!

あきない活性化コーディネーター 酒井 めぐみ

大学では国際経済を専攻。新卒で入社した不動産流通企業で不動産営業、顧客サービス対応、社外内広報・危機管理部門を経て、事業経営コンサルティングと香り事業を行うgreendoor起業。その後Meagrees/メグリーズに改め、現職。 途中、不動産向けVRシステム企画開発の法人を設立し、10期代表取締役を務めました。 社会課題の解決に関心が強くなり行政書士事務所を開業。 経営者や個人の方の想いをカタチに、あなただけの未来を築くお手伝いをしています。