ライフラインを守る!技術指導もバッチリ人が財産の土木会社

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業界では珍しい、充実した研修制度

こんにちはー! 『おおたシゴト未来図』レポーターのシンドーです。今日、初めて大田区にやって来ました。大田区は東京23区で一番面積が広いので、街によって雰囲気が結構違うらしいんですが、今お邪魔しているのは大田区中馬込。区内でも比較的北の方にあって、最寄りの都営浅草線西馬込駅は始発駅なんですね。電車通勤なら帰りは絶対に座れるのでいいかも。

木村工業の前でニッコリするシンドー

さて、今日お伺いするのは西馬込駅から歩いて10分くらい。トコトコと坂を登り切った場所にある、株式会社木村工業さんです。じゃあ、行きましょうかね。

木村工業のオフィス

まずは会社のことを、代表取締役社長の木村晃一さんに伺います。
あれ? 木村工業で木村さんってコトは、もしかすると創業者の方と思ったら、晃一さんは二代目で、お父様が創業されたのだとか。創立は1969年なので、来年は創業50周年! 当初から大田区を拠点に土木工事などを行ってきたそうです。

代表取締役社長 木村晃一氏

50年も会社を続けていれば、やっぱりあります紆余曲折。バブルの頃は羽田空港新滑走路に関する工事などの大きな仕事も受注し、売上も20億近くあったそうですが、バブルが弾けた後、世の中の公共工事は約40パーセントも減ったのだとか。さらにその後のリーマンショックもあり、同業他社の多くが廃業していったそうです。
そうした中で木村工業がそれらを乗り越えられたのは、利益率の高い仕事へとシフトしていったから。売上は以前ほどではなくなったそうですが、社員約60名を抱えて安定した事業を展開しているというのは、そうした経営判断があったからなんでしょうね。

社長! そんな木村工業の『他にはない良さ』って何ですか?

そうだねぇ。ちゃんと経営理念をもって仕事に臨んでいるところ。そして新卒採用を行って、きちんと研修を行っているところかな

研修を行うって、土木工事の業界では珍しいんですか?

この業界では、即戦力となる人材を採るところが多いからね

研修ではどんなことを行うんですか?

ウチは毎週月曜日に、KKB(キムラ・改革・ブリング)という研修を、若手を集めて経験者が指導しているんですよ

偶然ですが、今日は月曜日です!

あぁ、1階でちょうど指導しているから、ちょっとやってくかい?

よろしくお願いします!

ヘルメットとグローブを装備して体験スタート
KKBの説明を受けるシンドー

というワケで、急遽ちょこっとだけ研修に参加させてもらいました。今日は配管工事のキモ、水道管の設置方法についての指導。教えてくださるのはこの道ウン十年の、「仙人」と呼ばれている方です。

笑顔で仙人とツーショット
ネジを締める作業を体験中

金属の水道管は、だいたい4箇所のネジをきちんと締めて管同士をつなげていくそうです。その場合、1箇所ずつ締めていくとバランスが崩れるので、対角線上にあるネジを少しずつ、交互に締めていくことが重要なんだとか。

作業に苦戦するシンドー

フーッ、意外と疲れるなコレ。この研修は地面の上で行っているけれど、実際には地下1メートルくらいの狭い場所で作業を行わなければいけないんです。しかも場所によってはガス管とか、他の管も近くにあったりするわけで。どう考えても研修よりも現場は大変そう。だからこそ、ココできちんと身につけないといけないんですね。

水道管布設現場のイメージ

ちなみにこの研修、現場作業員として就職した人だけでなく、事務職で就職した人も受けなければいけないので、女性の方もチラホラ。やっぱり事務職であっても、自分の会社がどんな仕事をしているのかを、きちんと理解していないといけないってことなんですね。

女性社員と談笑するシンドー

同じように水道管の工事を請け負う他の会社では、こうした水道管の設置を任せてもらえるまでに4年ぐらいかかるのだとか。まさに「俺の背中を見て覚えろ」の、職人の世界ですよね。でも木村工業では同じ職人を育てるのでも、こうやって入社直後から先輩社員が手取り足取り指導してくれるので、1年目から現場で水道管工事に携われるそうです。それって働く側にとってもやりがいを感じられますよね。

仙人に作業の質問をするシンドー

住民からの「ありがとう」が嬉しい

では、現場の方にも話を聞いてみましょう。
工事部の小原恵祐さんは入社6年目。作業員を経て、現在は現場監督として修行中なのだとか。

小原 恵祐(こはら けいすけ)さん
工事部所属。2013年入社。足立区出身。高校時代に合同企業説明会に参加して、木村工業への入社を決意。小学校から野球一筋。現在も草野球チームに所属していて、会社選びの基準も「デスクワークは苦手だけど、土日にしっかり休める仕事がしたい」だったそう。現在は寮を出て一人暮らしをしながら、仕事のほうではキャリアアップを考えて現場監督の修行中という、忙しい日々を送っている。

小原さんは、なぜ木村工業に就職したんですか?

もともと、デスクワークは向いていないと思ったんですよ。それで高校3年生のときに参加した合同企業説明会で、森山部長と話をして決めました

おっ、何か心に響くものがあったのでしょうか?

ああいう説明会だと名前が知られた会社に人が集まるじゃないですか。そんな中で木村工業は結構空いていたんですよね

はぁ…

でも、自分としてはその方が会社の人とじっくり話せると思って、前向きに話を聞きに行ったんですよね

なるほど。確かにそれなら聞きたいことを聞けますよね

でしょ。それで話を聞いたら結構いいなと思って、志望しました

やっぱり、きちんと話を聞くのって重要ですよね。このサイトでも木村工業の良さをちゃんとアピールしなければって気持ちになりました

小原さんインタビューショット

入社後はまず研修受けたそうです。そう、先ほどのKKBです。結構大変だったのかと思ったんですが、「研修自体はきちんと指導してくれることもあって、それほど大変ではないんです。ただ、そこで身につけた知識と技術を現場で発揮できるかどうかは、まったく別の話」なんだとか。
研修の指導員の方も、現場はもっと過酷な状況だと話してくれましたが、狭い穴の中での作業だけが苦労点ではありません。道路工事って、決められた時間内に終えないといけないんです。確かにずっと道を塞いでいたら渋滞になっちゃいますからね。

笑顔の小原さん

ちなみに木村工業にはこうした作業を行う班が幾つかあり、班長、副班長を中心に5、6名程度でチームを組んでいるそうです。現場監督になる前の小原さんも、この作業班に所属し、主に水道管を切る係を担当していました。事前に指示書などに目を通し、工事が始まる前に水道管を所定の長さに切っておくのだとか。でも、道路を掘り返してみたら、現場の状況が全く違っていたなんてこともあるそうです。でも、そうしたことも織り込み済みで準備をすることが重要なんだとか。なるほど、そういうところで知識と経験が役立つわけですね。

水道管切断作業のイメージ

また、大田区の北部は23区内でも崖地の多いエリアなので、現場が低い場所だと水が溜まって作業がしにくいといったことも。これは高低差の激しい「大田区あるある」だと小原さんは笑って教えてくれました。

笑顔で応える小原さん

そんな苦労もある中でやりがいを感じるのは、やはり住民の方から感謝されたとき。水道工事が終わって、無事に水が流れるようになったご家庭から「ありがとう」って言われることもあるそうです。水道管の設置って、私たちの生活のライフラインを担う、重要な役割なんですね。

理想の人材はしずかちゃん!?

電話で打ち合わせ

ところで小原さんは現場監督の修行中とのことでしたが、それは作業班の班長とは違うってコトですか?

現場監督はその名の通り工事現場での統括みたいな部分もありますが、水道局などから仕事を受注する窓口的な立場なんですね。

じゃあ、その受注したお仕事を…

会社内でどの作業班に割り振るかを考えるのが、現場監督の役割です。

ということは、もう現場で水道管を切るといった作業は行わないのでしょうか?

そうですね。現場作業というよりも仕事の手配がメインですね。社内でパソコンに向かう時間も多くなったし、資材の準備で車に乗ることも多くなりました。

ちなみに作業員から現場監督になって、その次の役職って何かあるんですか?

どうでしょう。自分はまだ現場監督として一人前ではないし、その先のことは考えていないので…

じゃあ、まずは目指せ!一人前の現場監督ですね

今はそんな感じです

木村工業の良さについて、木村社長は研修制度の充実を挙げてくれましたが、小原さんによると「守備範囲の広さ」なのだそうです。実は水道工事以外にも、木村工業には請け負うことのできる仕事がたくさんあるんです。

道路工事イメージ

水道工事を行うということは道路を掘り返し、また埋め戻すことになるので、道路工事も可能なのだとか。また、水道だけでなく下水に関する工事もできるそうです。他にも、多摩川など河川敷の遊具の管理なども任されており、業務範囲は多岐にわたります。そういう意味では将来的な成長も見込めそうですね。

木村社長も、大田区のある城南エリアは住宅や工場が密集していて、水道管の設置といった工事が常にある地域だと話してくれました。そう考えると、今後もお仕事が増えていきそうです。

車を運転して現場へ向かう

土木工事というよりも、木村工業に向いている人って、どんな人なんでしょうか?
その問いに小原さんは「古いかもしれないけど、根性のある人かなぁ」と答えてくれました。
作業員の方のお仕事は身体を使うこともあり、体力に自信のある人や、「学生時代にスポーツやってました」みたいな人がやって来るそうですが、必要なのは体力よりも根性なのだとか。

たとえば水道管の布設などは現場仕事なので、残業が月10時間程度とほとんどありません。それに魅力を感じて応募してくる人もいるそうですが、新人の頃は現場から戻ってきても布設の練習に取り組むくらいであってほしいとのこと。
確かに、根性がないとできませんよね。

現場へ向かうために準備する

一方、木村社長からは「周囲と上手くやっていける人」という答えが返ってきました。それも周囲に合わせるというよりも、周囲の意見を聞きつつ、自分の意見も言える人。チームで仕事を行うことの多い、この会社ならではといえます。
「ウチに向いている人を『ドラえもん』のキャラに例えるなら、しずかちゃん。『俺が俺が!』っていうジャイアンタイプではないんです」
木村社長、例えが斬新すぎますよ。

仕事以外でも、季節ごとにレクリエーションを企画するなど、社員同士の交流が多いという木村工業。こうしたことがチームワークにつながり、現場で役に立つのだと実感しました。

取材を終えて小原さんと握手するシンドー

社員のことを第一に考えている木村工業。研修制度以外にも上京してくる社員に手当を出したり、近所に社員寮を建てたりと、至れり尽くせりな感じでした。また計画的に新卒採用を行うことで、先輩と後輩のリレーションもきちんとできているようです。社長は山あり谷ありの50年だったと話してくれましたが、都心での土木工事は今後もなくならないはず。50年どころか100年だって続きそうな、想像以上に「手堅い」企業だと思いました。

株式会社木村工業

未来図
3年後
オリンピックに向けて水道管の布設工事も増えていますが、その後について考えたとき、やはり大切なのは「人材」。木村工業では、東京都労働局の職業訓練実施団体として認定を受けることを目指しています。実際に作業員の多くが技能員としての有資格者。研修や資格取得支援を通して、技能を持った人材を数多く確保していきたいと考えています。
10年後
木村工業が目指すのは土木会社ではなく「労働力創出企業」。どんな事業であっても自社で取り組めるものであるなら、挑戦していきます。その上で、会社としての経験と社員の技能を通して、「どこにでも頼める仕事」を請け負うのではなく、「木村工業にしかできない仕事」を指名されて行う、そんな会社を目指しています。
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