2021年03月15日 公開

「ものづくり受発注商談会in大田」令和2年12月24日(木)リアル開催

会場全体写真

「ものづくり受発注商談会in大田」は、区内外の発注企業と受注企業を結び付けるイベントで、平成元年に始まり今回で59回目となりました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、全国で開催されていた多くの商談会がオンラインでの開催、もしくは中止を決定するなか、「ものづくり受発注商談会in大田」は、リアルで開催しました。

本商談会でのコロナ対策等の新しい取り組み、そして参加企業の感想や意見等を紹介します。

8倍の空間でコロナ対策を徹底

コロナ製品

新型コロナウイルス感染拡大の影響を鑑み、会期を10月から12月に延期。参加企業数を例年の250社から130社(発注企業40社、受注企業90社)に減らし、会場は通常よりも約4倍の広さと約2倍の高さのある大展示場を用意しました。

参加企業は、完全事前登録制とし、名刺受領による当日来場者の把握も徹底管理。入退場ごとの非接触型体温測定機の設置や手指消毒の感染症予防対策を施しました。そして、商談テーブルの間隔を2メートル以上あけたレイアウトにし、机上には対面アクリルパネルも設置。受付にはフェイスガード、ビニール手袋も無料で用意しました。

併せて、区内企業が開発した足踏み式消毒スタンド、フェイスシールド、アクリルパネルなどのコロナ対策製品を配置しました。設置したコロナ対策製品には企業名や製品説明を掲示したことで、商談会参加企業の注目を集めていました。製品PRになったと同時に新製品開発の参考になったとの意見もありました。

最終的には山形県、兵庫県からの参加企業もあり、約300商談が行われました。当日マッチングの実施や商談時間の変更など、できるだけ柔軟に対応したため、商談会参加企業には好評でした。

WEB上でマッチング精度を高める新方式

今商談会より、参加企業がWEB上のマイページで「自社PRシート作成」から「参加企業ブックの閲覧」、「商談希望申込み」、「決定した商談スケジュールの確認」まで、一元的に行うことができるシステムを導入しました。商談会前に、発注企業、受注企業とも、WEB上のリストから最大10社まで商談を希望することができます。発注企業と受注企業の組み合わせは、システムによる自動マッチングに加え、協会内で受発注あっせん業務を担う「ものづくり連携コーディネーター」によるマニュアル作業を介在させた調整を行いました。マッチング精度をより高めるのが狙いです。

参加企業の感想、意見

事前に協会側からコロナ対策に関する説明があったため、今回取材した5社すべてが、リアルでの開催に不安はなかったとお答えいただきました。規模の縮小で、商談希望数の減少はありましたが、おおむね満足、高評価を得た商談会となりました。以下5社のコメントをご紹介します。

受注企業として参加:澄川精密(株)(大田区南六郷)澄川誠専務

~PRシートの工夫と企業PRツールで全社にアピール~

澄川精密 澄川専務

この商談会にリピート参加するなかで、自社PRシートの書き方を工夫してきた。初参加のときには、「何でもやります!」「頑張ります!」ということをアピールしたため、商談数も多く、成約も決まったが、価格面で安さを求められるものであった。

そこで今回の商談会では、自分たちが求める企業とのマッチングを可能にするため、あえて幅広く何でもやるということは記載しなかった。1商談と少なかったが大満足している。

また、そのほかに工夫してきたことのひとつに、会場入口に設置された参加企業用パンフレット棚に置くPR資料。自社が保有する設備画像をクリアファイルに印刷したものを置いた。それを持ち帰った商談相手以外の参加企業から問い合わせがあり、大きな取引につながったこともあった。

受注企業として参加:トク・テック(株)(大田区南六郷)専務取締役 押康一様

~リアル面談で取引獲得へつなげる~

トク・テック 押さん

大田区加工技術展示商談会へ参加したことをきっかけに、今回で2回目のものづくり受発注商談会の参加となる。他の商談会にも参加しているが、この商談会には、求めているものがはっきりした企業の参加が多いという印象だ。

今回は5商談を行った。商談会は新しい取引先とのきっかけ作りであり、まずは相手のことを肌で感じたい。初めて会う相手に対しては、オンラインでは話を進めづらいと感じる。

商談では、図面や物を直接見て触って、話をするほうがわかりやすく、やはりリアルに会って話すことが重要。すでに取引のある企業との商談はオンラインでも行っているが、新規取引先とは、できるだけ直接会いたいと思っているので、このような機会を作ってくれたことに感謝している。

受注企業として参加:(株)弘和電材社(大田区西蒲田) 取締役経営管理室長 谷口浩司様

~商談機会が減少する中で、有効に活用~

弘電社 谷口さん

銀行主催の商談会など数多くの商談会に参加経験があり、またこの商談会には30回ほど参加している。例年は3~4商談設定されていたが、今回は1商談。商談数は減ったものの、多くの商談会が中止となっていたため、開催してくれてよかった。

オンラインの商談会にも参加したが、図面の共有に時間がかかるなどの不便さもあり、商談時間20分内では難しいと感じた。ただ、オンラインであっても、商談機会があるという点ではありがたい。

協会主催の加工技術展示商談会にも毎回参加しており、自社製品の展示も兼ねた商談ができるメリットがある。今後も展示会と合わせて商談会への継続参加を希望している。

発注企業として参加:(株)ヤシマ (大田区西六郷)代表取締役社長 箕浦裕様

~着実に商談を進め、次回の商談会にも期待~

ヤシマ 箕浦社長
NNA提供

今回、取引先の拡大と安定のため、初めて参加した。10社の商談希望を出し、7社とのマッチングがかなった。その後2月初旬現在で、4社と引き続き商談が進んでいる。

今後商談会に参加する際によりよい商談マッチングを得るためには、自社PRシートの書き方を工夫する必要があると感じている。次回はこちらの要望が受注企業に対し、明確に伝わるよう発注案件を絞りこんで記入することを検討したい。

発注企業として参加:サンコースプリング(株)(横浜市港北区) 調達グループ長 福田功様、係長 五十嵐豊様

~大田区企業のイメージを刷新し、取引先拡大を希望~

サンコースプリング

これまで大田区の企業というと、ハイレベルの技術を請け負う企業が多いという印象で敷居が高かった。しかし今商談会で求める技術を持った企業との出会いがあり、見方が180度変わった。

初参加の今回は、8社との商談を行った。その後、見積もり依頼を6社行い、その中で商談も決まってきている。商談希望を提出する段階では、企業PR用紙から得られる情報だけではあまりいい感触はなく、3社ほどをリクエストした。

協会側からのマッチングにより合計8商談したことで、考えていなかった企業との取引が繋がったり、思わぬ話に広がったりすることもあった。

今後もより柔軟に検討

今回の商談会は、緊急事態宣言前とはいえ、コロナ感染が広がるなか、大田区産業振興協会でもリアル開催の可否について何度も検討を重ねました。そして、リアル開催を望む区内企業の要望に応え、できうる限りのコロナ対策を施し、開催に踏み切りました。

商談会を終えて、今回取材した5社だけでなく、多くの参加企業からリアル開催への感謝や前向きなご意見をいただきました。

今後、リアル商談とオンライン商談の併用等も含め、情勢に合った開催方式を検討していきます。そして参加企業のニーズを汲み取るべく、いただいた意見を真摯に受け止め、区内外企業のビジネスチャンスの拡大に貢献できるよう、商談会を成長させていきたいと考えています。

ものづくり受発注商談会の詳細はこちら

「第59 回ものづくり受発注商談会 in 大田」開催報告こちら

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