戦略的産業クラスター形成パイロット事業

戦略的産業クラスター形成パイロット事業とは?

羽田空港跡地開発で展開される先端産業分野の創造を区内産業につなぐ

産業クラスター形成を促進し、6つの事業プロジェクトを展開

 大田区は2020年のまち開きを目指し、羽田空港跡地第1ゾーン整備事業を進めています。 大田区をはじめ、日本のものづくり技術や、優れた日本文化を国内外に発信する拠点整備など、地域経済の活性化や我が国の経済成長につながる取り組みを実施します。
 「戦略的産業クラスター形成パイロット事業」は、羽田空港跡地第1ゾーンで展開される先端産業の発展に資することを目的としております。具体的には、「次世代モビリティ分野」 「ライフサイエンス・ヘルスケア分野」 「ロボティクス分野」 「関連分野(デジタルコミュニティ形成など)」において6つの事業プロジェクトを選定し、区内中小企業の技術力、対応力と経験値の向上を目指す取り組みです。
 事業プロジェクトの実施にあたっては事業プロジェクトを公募し、企業、大学等から幅広く 提案をいただきました。審査の結果、6つの事業プロジェクトを選定し、多くの区内中小企業が参画しています。

lifescience healthcare
ライフサイエンス・ヘルスケア分野
mobility
モビリティ分野
robotic
ロボティクス分野

小型自律走行移動体の開発

次世代モビリティ分野

加工部品、食材の自動輸送を実現する小型自律走行体ベースの開発

【オーナーシップ企業】

 中央大学理工学部 電気電子情報通信工学科 國井研究室
 株式会社Piezo Sonic

【事業プロジェクトの概要】

 大田区内の工場では板金、切削、成形、研磨、表面仕上げ、塗装などにおいて、各社の特色を活かした分業化が進んでいます。このため、一つの部品の完成までに複数の工場が連携しています。 この連携における部品の輸送のための梱包、発送手続きの手間とコストが少ない人員で運用している各社にとって課題となっています。
 また、区内において高齢化や共働き世代の増加による食品、食材のデリバリーへの需要が高まっていますが、輸送を行う人員の確保が課題となっています。
 これらの解決のため、工場間の部品移動や食品、食材の搬送を自動で行うデバイス:「各種センサを活用して歩道を自律走行する小型の移動ロボット」を開発します。




【クラスターの構成】

 中央大学と区内ものづくりベンチャーであるPiezo Sonicをオーナーシップ企業として小型自律走行体の設計・監修を行い、フレームや機構部の金属部品・樹脂部品の製作に区内企業が参加しています。

mobility mobility moving
【参画企業】

株式会社テクノロジーリンク/有限会社ファクタスデザイン/シマフジ電機株式会社/株式会社竹野入工業/株式会社アンドサンクス/株式会社ヤマショウ/有限会社岸本工業/株式会社スペースリンク/ 株式会社キョウエイ/株式会社ナイトベージャー/株式会社ミニモ/株式会社e-Gle/オートデスク株式会社

眼科手術機器およびシミュレーターの開発

ライフサイエンス・ヘルスケア分野

身体への負担が少ない低侵襲眼科手術機器とその技術訓練・安全性向上を目的としたシュミレータの開発

【オーナーシップ企業】

 有限会社安久工機

【事業プロジェクトの概要】

 「眼球」という直径約2cmの小さな器官の中には、無数の血管や神経が密集しています。 これに対して手術を行う、所謂「眼科手術」においては、極めて繊細な手技が求められます。
眼科手術を安全かつ効果的に行うには、⑴実際の臨床環境に近いトレーニングシュミレータ、及び、⑵更なる医療機器の細径化が求められてきました。

【クラスターの構成】

 東京慈恵医科大学眼科学講座講師である増田洋一郎医師が、前述の⑴⑵の双方を満たす方法を考案しました。 このアイデアを実現するにあたり、長年「医工連携」に携わり、補助人工心臓・人工弁・人工血管等各種医療機器の性能試験用循環シュミレータの開発を手がけてきた安久工機が オーナーシップ企業となり、大田区を中心とした参画企業の協力を得て、新たなシュミレータと低侵襲眼科手術機器の開発を行なっています。

〈血管循環シュミレータ〉
device
シュミレータからのアプローチ
  • 再現性がある→動物等の個体差の影響を受けない
  • 動物実験を最小限にできる→動物愛護
  • 性能評価・耐久試験→各デバイスの比較試験がしやすい
  • 手術・技能訓練用として利用できる→臨床での未熟事故の減少
  • 医療機器クラス分類(クラスⅠ〜Ⅳ)不要→参入しやすい
【参画企業】

有限会社いわき精機製作所/ケイディケイ株式会社/小松ばね工業株式会社/株式会社松浦製作所/ 飯田機工株式会社/ルーセットストラテジー株式会社

細胞培養装置のマルチウェル化事業

ライフスタイル・ヘルスケア分野

再生医療の膨大な実験数に対応するため、同時多数の培養可能な伸縮培養プレートおよび伸展負荷装置を開発

【オーナーシップ企業】

 ケーディークロート株式会社

【事業プロジェクトの概要】

 新薬開発では動物実験から培養細胞を利用した実験へのシフトが進んでいます。培養細胞の挙動をより体内に近づけるため、細胞培養プレートを伸縮させて細胞に力学的な刺激を与えるメカノバイオロジーも急速な発展を遂げています。新薬開発、さらに再生医療では実験数が膨大になることから、同時多数の培養が可能なマルチウェル化が必須ですが、現在は同時培養数が限られる市場がありません。
 本事業で開発する「マルチウェル型伸展培養プレート」および「伸展負荷装置」は、国内外の製薬会社、研究者の皆様方にメカノバイオロジーを簡便に行う手段を提供します。培養プレートは使い捨てが必須で細胞培養実験は長時間にわたることから、培養プレート、伸展装置ともに大きな市場形成が期待できます。


【クラスターの構成】

 医療機器や分析機器の開発・製造を得意とするケーディークロートをオーナーシップ企業に、京都大学と共同で装置の使用決定及び完成品の評価を行っています。ケーディークロートにて装置の設計を行い、製造には大田区企業が参加。試作装置及び量産機の機械加工はキョウエイ、制御ソフト開発はヤマショウ、またプレート製造の設計・工程開発はフコク物産がそれぞれ担当します。

【参画企業】

フコク物産株式会社/株式会社ヤマショウ/株式会社キョウエイ/株式会社Piezo Sonic/国立大学法人京都大学

高齢者等の服薬者支援装置の開発

ライフサイエンス・ヘルスケア分野

服薬事故防止するための装置の開発

【オーナーシップ企業】

 リコーテクノロジーズ株式会社

【事業プロジェクトの概要】

 介護施設において服薬事故防止のために多くの人手を要する作業をしており、業務負担が大きいと言えます。また、労働人口の減少に伴い人手不足が深刻さを増しています。
 解決策として、機械による自動化でヒューマンエラーの要因を無くし、看護師・介護士が抱える服薬業務負荷を軽減させるとともに服薬インシデント発生要因を低減させます。

【クラスターの構成】

 調剤薬の「処方〜調剤〜健康維持・回復サービス」のバリューチェーンを対象領域として、パイロット製品開発を目指します。 リコーテクノロジーズをオーナーシップ企業として、区内企業の仲間まわしネットワークを活用して共同開発し、区内の介護施設等ともニーズ調査や運用面で連携してプロジェクトを進めていきます。

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【参画企業】

株式会社フルハートジャパン

多言語対応スマートロボットの開発

ロボティクス分野

6ヶ国で会話し、案内・情報提供する多言語対応スマートロボット

【オーナーシップ企業】

 インフイテックエム株式会社

【事業プロジェクトの概要】

 東京2020オリンピック・パラリンピックを契機として空港やショッピングセンター、観光センター、公的公共施設(区役所、図書館など)では、多くの国籍の旅行客、さらには今後の諸外国からの就業者などに対応した、円滑で、かつ適切なサービスや情報支援が求められます。ニーズに対応した、会話ロボットとスマートデバイスを利用した多言語(6ヶ国語)案内システムの開発製品化に取り組んでいます。

誰にでも親しめる、話しかけたくなるデザインで、かつ表情豊かな顔、しぐさを追求したスマートフォン利用のシステムロボット。
適応する場所・地域などによって発話データをテンプレート化し、専門知識のないスタッフでもコンテンツの更新を容易にできます。
対話ロボットとデータベースを相互通信するRSNP(Robot Service Network Protocol)技術を適応、集めた市場ニーズを事業経営に反映できます。

【クラスターの構成】

 インフイテックエムをオーナーシップ企業に首都大学東京の技術を活用し、区内企業が参加。区内の観光関連施設やホテルとも連携します。

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【参画企業】

公立大学法人首都大学東京/Business&Education Labo株式会社/株式会社昭和製作所/株式会社テクニシモ/ID Studio喜多

テイラーメードサーバー事業のプロトタイプ

関連分野

個人の好みや体調に合わせたドリンクを提供する飲料サーバーの開発

【オーナーシップ企業】

 サンケイエンジニアリング有限会社

【事業プロジェクトの概要】

 労働環境や食生活に起因した健康に対する関心が高まりつつある現在、携帯型バイタルデータ記録機器の急激な進歩によって、ユーザー主体の健康管理環境が整いつつあります。
 そこで個人の好みや気分、体調に合わせたサプリメント飲料の提供が可能な装置(飲料サーバー)のプロトタイプの開発を行います。

【クラスターの構成】

 今回の取り組みとして、東京工業大学と大田区内の店舗経営会社で行うユーザーエクスペリエンス(製品・サービスを使用する際の印象や体験)の測定と考察をもとに、サンケイエンジニアリングをオーナーシップ企業として工場連携による俊敏な開発製造力を活かし、機能性、メンテナンス性に優れたメカニズムの製作を行い、さらにハードウェアとソフトウェアの一体開発の実証を行います。

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【参画企業】

東京工業大学/株式会社アンドサンクス/ミニモ株式会社/mintomo株式会社/株式会社キティー/有限会社長谷川製作所/有限会社誠和製作所/ヤスエ製作所/有限会社岸本工業/イデアジャパン株式会社/株式会社古屋電機工業/ワイガヤファクトリー株式会社/株式会社ユーグレナ/株式会社フォーネクスト/有限会社共立精機

成果発表について

2019年1月31日から2月1日まで行われたおおた工業フェアにて各プロジェクトの成果発表を兼ねた展示が行われました。
プロジェクトごとに実際に製作した現物とパネル展示を2日間にわたって行い、来場者に対しての告知を行いました。

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