大田区ものづくり企業 就職特集

monodukuri_01.jpg株式会社タンケンシールセーコウ(大田区矢口3-14-15)は、産業用回転機器の軸封装置である「メカニカルシール」の専門メーカー。摺動材のカーボンを自社生産する世界唯一のシールメーカーで、その製品は全国の石油化学プラントなどで広く採用されている。創業60周年の老舗メーカーだが、社員の平均年齢はなんと33歳と若い。若手社員の定着率は圧倒的に高く、過去15年で離職者が1割にも満たない。
同社は平成6年から本格的に大卒の採用をはじめ毎年途切れることなく3~10名ずつ採用してきた。当初は理工系学生の就職が「教授推薦」で決まっていたため、総務担当者が大学の研究室に通って関係を強化し、採用の糸口を切り開いてきた。継続採用の実績が大学側から評価され、現在は複数の私立大学からキャンパス内で大学が主催する合同会社説明会・セミナーに呼ばれるまでになっている。「合同説明会や学内セミナーは大手企業が主役。しかし、採用した先輩からの口コミや評判で徐々に評価されるようになった」(総務部・有馬弘幸主任)という。
同社の採用活動は、学生による会社訪問や工場見学にていねいに対応しているのが特徴だ。参加学生がたとえ一人でも、社内を隅々まで案内し、飾らず普段どおり稼働している社内を見せている。また、入社後に3ヶ月半という長期の研修期間を設け、社内8部門をすべて経験させたうえで配属先を決めるなど、「定着」のために工夫を凝らしている。「すべての社員が新入社員の面倒見がいい」(有馬氏)のが、採用がうまくいく理由だ。
採用社員の定着率は過去10年で95%。あまりに定着率が高いため欠員がなく、来年度はついに新卒採用を見送るかもしれないという。カーボン技術を半導体製造装置などに応用する新規事業分野も若い社員の力で成功させた。入社した先輩が生き生きと活躍する姿が、さらに次の学生を引き付けるという好循環にある。

若手社員インタビュー

monodukuri_03.jpg 稲永龍一さんは、平成25年春に文系の大学を卒業し、タンケンシールセーコウに入社した。上場企業からも内定をもらっていたが、最終的には同社への就職を希望。「初めて会社訪問に行った時、人事採用担当がニコニコしながらとても丁寧に説明・対応してくれたのが、好印象だった。加えて大手企業に負けないぐらいの充実した福利厚生制度にも惹かれた」という。
同社は、入社後文系も理系も関係なく、一斉に約3ヶ月半の現場実習を行う。「ものづくりは初めての経験だったが、先輩社員がとても面倒見が良い方ばかりで、楽しく過ごせた」。研修終了後は希望した営業部に配属され、現在は、一人で35社を担当。「当初、専門知識が乏しく、お客様の対応に苦労したが、社内は1つ質問をすると2つも3つも返してくれる先輩社員ばかりで、部署間の壁もなくたくさんのことを教えてくれた。ストレスなくのびのび仕事ができている」。専門知識を身につけ、お客様に頼りになる営業マンになる夢に向かって稲永さんは、今日も第一線で活躍している。

人材確保事業の紹介 「大田区ものづくり企業 ミニ面接会」

monodukuri_04.jpg 当協会では、大田区中小企業の採用支援事業として、合同会社説明会「ヤングジョブクリエイションおおた」や経営者と学生の交流会「プレ就職面談会」を大田区産業プラザ(PiO)で開催している。しかし、この数年の景気回復傾向で学生が大手企業に流れる傾向が顕著になっているため、初めての試みとして大田区中小企業側が大学のキャンパスに出張する「大田区ものづくり企業 ミニ面接会」を2月19日に工学院大学新宿校舎で開催した。
ミニ面接会は、大学側の希望調査を経て大田区企業7社が参加。3回に分けて合計14名の学生に集団面接を行った。その後、企業ごとに企業訪問や見学会などを実施した結果、大田区企業3社が4名の学生を採用した。
大田区には、タンケンシールセーコウのような独自の技術力で日本の産業界を支え、技術力も財務内容も決して大手企業には負けない中小企業が数多くある。今回の結果を受け、出張型の合同説明会や合同面接会を企画など、本年度以降も大学とさらに連携を強化し、大田区企業の人材確保へとつなげていきたい。

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