メニューを飛ばして本文へ

茨城県日立地区 企業見学会 開催後記

2007/04/10

(財)大田区産業振興協会
管理グループ企画広報チーム
コーディネーター 手澤 雅人

実施日:平成19年3月16日(金)
見学先:【午前】太洋工業株式会社【昼】日立地区産業支援センター【午後】株式会社日昌製作所

1.見学会の主旨

 本年度実施した「若者と中小企業とのネットワーク構築事業」の事業の一環として、「優工場」認定企業・12月のイベント参加企業及び分科会関係教育機関に呼びかけ、日立地区産業支援センターの協力を得て、「人材育成」をテーマに茨城県日立地区の工場見学会を実施。3月中旬、年度末の繁忙期にも関わらず、事務局以外(9名)、企業経営者・教育機関の方々18名に参加頂き、総勢27名で現地を訪れ、地元企業2社の工場見学会を執り行った。

 本件の主旨としては単なる工場見学ではなく、2007年問題や後継者・若手技術者の育成・確保問題に直面する大田区の企業経営者と、将来を担う若者を排出する工業高校を中心とした教育機関の方々に、他地域の中小企業の人材確保・育成、技術・技能の習得に対する取組み方等を見学・意見交換することで、今後の自社・自校の取組みや経営体質の強化に結びつける参考にしてもらうというもの。

2.見学先企業の概要と人材育成方法

 見学した2社(太洋工業株式会社・株式会社日昌製作所)共に、日立地区を代表する優秀な企業で、工場の敷地面積や従業員数等は大田区企業とは比較出来ないものがあった。技術力もさることながら、今回の主旨である「人材育成」についても両者共に独自の育成方法を試みており、これは参加企業経営者にとっても参考になったと思われる。

 午前中に見学した太洋工業株式会社は精密板金の製造を主業としており、取り扱い製品の点数もさることながらPOPシステムを活用した生産管理システムは目を見張るものがあった。社内外での人材育成活動にも積極的で、中でも小集団活動(グループリーダー研修会)等、若手従業員をリーダーに抜擢して社内・社外研修を行っている面は、独創性を持った面白い試みと思われた。若手社長(30代前半)のもと、役職員・従業員共に親切な対応で明るさがあり、社内風土の良さが外部の人間にも感じられ好感が持てた。

 午後に見学した株式会社日昌製作所は、自動車電装部品の製造を主業としている。7つの工場と従業員300名超を有する大型の中小企業で、今回は昨年新設された十王工場を見学したが、工場の敷地の広さと最新式の機械設備に参加メンバー一堂圧倒された感がある。人材育成についても積極的で、不思議と近年は中途採用が多く新卒採用を行っていなかったようだが、本年度から新卒採用を再開し、若手従業員の研修制度(入社前・入社後)の準備にも余念がないようである。この企業の特色としては、派遣従業員も含め女性社員が多いことである。本年度採用予定の高卒女性数名についても、昼夜交代制勤務のオペレータ業務に配属するとのことで、今後も女性従業員の登用を積極的に進めていくようである。

 両企業共に意見交換の席では、大田区企業経営者・教育機関の方々から活発な質問・意見交換が行われた。時間が足らず途中で打ち切る程の質問の多さで、参加メンバーの真剣さが伺われ、また対応頂いた見学先企業の真摯な対応に非常に好感が持てた。

太洋工業株式会社 工場にて
太洋工業株式会社 工場にて
太洋工業株式会社 質疑応答
太洋工業株式会社 質疑応答
日立地区産業支援センターにて
日立地区産業支援センターにて
株式会社日昌製作所 質疑応答
株式会社日昌製作所 質疑応答

3.総評

 茨城県日立市と東京都大田区では規模・業態等、相容れぬものはあるが同じ中小製造業者として互いに通ずるものや、また参考となる部分は数多くあるように思われる。特に人材育成・確保については、人材を確保するルートや手段(広告・Uターン)等は地方と首都圏との違いはあるものの、大切なのは確保よりも育成面にあると感じられた。

 双方の企業共に若手従業員の定着率が、問題となっており、メンタル面のケアも含めた独自の人材育成方法を見出していくことが、今後、人材問題を打破することに繋がると感じられた。

 

ページトップへ戻る