2017年03月08日 公開

「新製品・新技術開発支援事業」 最大500万円の助成金を活用し自社製品による売り上げアップ!

マヨネーズのキャップ
平賀機械工業は食品・飲料・薬品・化粧品・洗剤等の日用品で使われているキャップ・容器関連の製造装置では先駆的メーカーで、圧倒的な国内シェアを誇る。さらに医療・医薬品の容器を量産する自動機の開発・製造も手掛けている。

このうち、キャップ内にアルミシートとポリシートを装填する機構の開発で、平成26年度に新製品・新技術開発支援事業を利用した。
マヨネーズのキャップを思い浮かべてほしい。新品のキャップを開けた時、まず中身を密閉している小さなアルミシートをぺリぺリとはがす。2回目以降は、キャップの奥にあるフィルムが絞り口に熱融着して衛生度を保つ。

加工部アップ
この小さな2枚のシートを装填する機械は、シートを指定の形状に切断する打ち抜き刃(超硬製金型)と搬送系で構成される。従来の機械は刃がすり減って毎月整備する必要があった。
平賀機械の開発テーマは、刃の寿命を12倍の1年以上に延ばして刃の整備回数を減らし、熟練スタッフが少ない海外工場などで新人でも扱える生産性の高い機械とすることにあった。

実際の開発作業は、ポリでもアルミシートでも静電気を除去して毎分50個~250個のスピードで安定して打ち抜く動作と打ち抜いたシートの装填精度向上を目指した。
また、軽くて固定が難しいポリやアルミシートを刃から離れた場所へ運んで熱融着する搬送系も工夫した。

機械本体
申請書類の作成は、平賀則夫専務が担当。新製品・新技術開発支援事業のうち「開発ステップアップ助成」のコースに応募して採択され、約5カ月で試作機を完成、限度額の500万円に近い助成金を獲得した。
同社は年ごとに国や東京都の同様の制度も活用している。平賀専務は「国の制度は従業員への利益還元状況・経営革新計画など報告事項が毎年増えている。対して大田区の制度は製品に関することだけなので負担が小さい」という。

平賀機械では完成した試作機を活用し、顧客ごとに違うサンプルの形状に合わせて実際に販売する製品を開発・製造している。
「お客様は理屈だけでは買ってくれない。試作機を手元に置き、試行錯誤してサンプルを見せて初めて受注できる」(平賀専務)という。
この手法でこれまでに食品や医薬品分野で日本や中国向けに約10台の自動機を販売、このなかには今回開発したユニットが複数台搭載されているものもあるという。1ユニットの価格は約400万円。同社の売り上げアップに貢献している。

「新製品・新技術開発支援事業」には、このほかすでに開発にめどがついた技術・製品を市場投入するための「実用化製品化助成」のコースもあり、平成29年度分は3月1日から4月21日まで申請を受け付ける。

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