セレクト(ブランコになるバギー)

第24回入賞製品・技術

おおた福祉・医療賞

セレクト(ブランコになるバギー)_写真

概要

【開発経緯】

重度肢体不自由の方に対する日本での福祉機器には「遊び」をキーワードとした物があまりありません。諸外国では様々なフィールドで遊べる機器がありますが、それらは高価であり日本の生活様式には合っていません。そこで、日本の生活様式やニーズに合った「遊び」をキーワードとする機器の開発に取り組みました。

日本の福祉制度を考えたとき、遊びに適用できるものがないことから、制度が適用される車いす「バギー」をベースに遊びも出来るようにすることを思いつき、バギーの上下を分離して多くの種類のベースフレームをつくる事で様々なフィールドに対応出来る物を開発することにしました。

【開発の概要】

本製品は、重度肢体不自由児の日常生活で使用するバギーを「ベースフレーム」と「シートフレーム」にワンタッチで分割できるようにしたもので、様々な用途の「ベースフレーム」に交換が可能な多用途バギー(商品名セレクト)です。

用途に応じて「バギーモード」、「座椅子モード」、「ブランコモード」、「スノーモード」、「ロッキングモード」、「電動車いすモード」、「ビーチモード」、「カヌーモード」等、様々な用途に使用出来ることを目指しました。

特徴

【2つの開発キーワード】

1つ目の開発キーワードは、もちろん「フレーム」(設計、機構、強度等)です。その大きなポイントは、支点での回転の角度ロックが遠隔操作で行える部品の開発にあります。従来、シート部の角度を可変させるのに使われていたメカロック機構では上下のフレームをワンタッチで簡単に脱着させる事が難しく、今回あらたにカム方式によるロックシステムを考案し新しく設計しました。この機構の開発だけで1年を費やしましたが、この機構の完成で、上下の構造をワンタッチで脱着出来るようになりました。

2つ目の開発キーワードは、「姿勢保持」です。いくらフレームが優れていてもその中で児童の姿勢が崩れていては楽しむ事ができません。今回シートフレームに取り付けるインナー機構をこれまでの考え方とはまったく異なる「キャスパー・アプローチ」によるシーティングの考え方に対応出来る調整機構としました。

※「キャスパー・アプローチ」の概念

「キャスパー・アプローチ」は、痛さとストレスを出来るだけ少なくする為の手段の一つとして1991年からスタートしました。ご本人、ドクター、セラピストの方々と20年近く試行錯誤して生まれた、現場主義の姿勢保持の技術です。

「キャスパー・アプローチ」では、骨盤を立っている時のようにアップライトにする従来の座位自体に矛盾があり、その姿勢での安定性と活動性に限界があるという事実を出発点として試行錯誤を繰り返し、一つ一つ積み上げられて完成した日本オリジナルのシーティングの考え方です。

講評

「おおた福祉・医療賞」は『セレクト(ブランコになるバギー)』が受賞されました。この製品は、介護を必要とされるお子さん向けのバギーで、単なる移動手段としてだけではなく、アタッチメントを付け替えることで、お子さんが健常者と同様、さまざまな「遊び」を体験できるよう工夫されています。お子さんの遊びたいという欲求、親御さんの遊ばせてあげたいという願いを実現するための製品として考案された点が高く評価されました。まだアタッチメントの種類には限りがあるようですが、今後もより多様な欲求・願いを叶えられるよう開発を続けられることを期待いたします。

企業情報

社名 株式会社 アシスト
住所 〒143-0013 大田区大森南4-6-15 テクノフロント森ヶ崎404号
連絡先 TEL:03-5735-1555
FAX:03-5735-1556
URL http://assist-info.jp/

ものづくり・イノベーション推進課 イノベーション創出担当
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